
ペラルゴニウムの涙 by miya
はじまり
雨の中、ぐうぜん雨粒が体を避けてくれて あまり濡れないことってない?
私の人生はあたりまえの幸福が避けていった 欲しいものは何も手に入らない
手に入れたと思ったものは偽物だった 救いの扉は全て閉ざされていた
苦痛の中のたうちまわるうち 意図せず掴んだものだけが残った
偶然手に入ったカードを切って ギリギリを生き延びた ただそれだけの連続
生きる意味などなく 死ぬまで死なないだけ
自分の痛み、他人の痛み 社会の痛み、世界の痛み 目を背けたくなる悪
救おうとすれば傷つけられ 誤ちを正そうとすれば裏切られた
深く傷つくほどに より多くの痛みを知ることになった
雨の一粒一粒の 声が全て聞こえ 動きが見えたとて ほとんど触れることさえ出来ない
私と世界の関係は そういうものだと受け入れた
世界がどれだけ痛みで満たされていようと 心がそれを拒むのは ただの生命としての本能でしかないのでしょう
故に 私は自分が死なない限り 偶然でも近くにあり 手の届くもの 私を傷つけないものだけ 守ることにした
それしか私にはできないから